Back  照明について(大会等)


照明効果は、役者の演技がよく見えるように引き立たせるほか、演技・舞台装置だけでは 伝わらない情報を観客に与える重要な役割を担っています。

○照明の種類
ホール等で上演する演劇で使用することの多い照明効果は、以下の通りです。

  ・地明かり
  ・前明かり(フロント,シーリング)
  ・ブッチガイ(ブッチ)/ナナメ
  ・ホリゾントライト
  ・トップサス(いわゆるスポットライト)
  ・ステージサイドスポット
  ・ピンスポット   ・特殊効果・特殊な照明

○地明かり
舞台の上から床を照らします。通常は「フレンネル」型のレンズを用い、舞台上をまんべんなく 塗りつぶすように照らします。
演出上問題なければ、主に作業灯として使う「ボーダーライト」を地明かりとして使うこともあります。
地明かりによって、その芝居の「アクティング・エリア」が決まります。
高校演劇の照明初心者がよくやるミスは、地明かりだけ照らして前明かり (フロント/シーリング等)を照らさないことです。
地明かりだけでは、役者がちょっと下を向いたりするだけで陰になり、 表情などを見せることが難しくなります。
白色光だけでなく、カラーフィルターを仕込んで色付けした地明かりを仕込むこともあります。
・青色の地明かり
夜、暗い室内、水中などを表現するのに使います。 例えば「停電中」のシーンを本当に真っ暗な中で続ける(何も見えず、声だけが舞台上に響き続ける) 学校もありますが、あまりお勧めはできません。 通常は青い地明かりなどを使って「暗さ」の表現をすることで、 役者の演技はしっかり見せる照明作りをします。 (もちろんルールがあるわけではないので、演出上必要と思われるなら、ナンデモアリですが。)
・赤色の地明かり
夕暮れ、火事、空襲のシーンなどに使います。地明かり、前明かり、ホリゾントまですべて 真っ赤にしてしまうと、相当強烈な印象になります。ほどほどに。

○前明かり

左がフロントライト・右がシーリングライト (群馬会館)
舞台(プロセニアムアーチ)より前から舞台上を狙って照らし、 観客から見た役者の顔、舞台装置などを明るくします。
特に、緞帳の位置より前へ出てきて演技する場合などは、地明かりでは役者の背後しか 照らせないので、前明かりがないと顔が真っ暗になってしまいます。

・シーリングライト(CL)
文字通り、天井から舞台上を狙います。 灯体の位置が舞台から遠いせいもあり、通常、明るさはあまり強くありません。
1〜2列に横並びで並んでいて、ひとつの回路でコントロールすることも、 いくつかの回路に分けることもできます。
角度的に、役者の顔から体にかけてまんべんなく照らせるので、オレンジ色のフィルターを 仕込んで夕日の効果を出したり、といったこともできます。
1本だけ独立させて、トップサスなどと組み合わせて使うこともあります(後述)。

・フロントサイドライト(FR)
プロセニアムの横、側面の壁上方から舞台上を狙います。シーリングより近いので、 比較的強い光が使えます。
通常、1列2〜3灯×複数列あり、各列を切り替えて点灯できます。 白色のほか、カラーフィルターを入れた列を作って様々な効果を出すことができます。

○ブッチガイ(ブッチ)(ナナメ)
地明かりの光は、舞台の上に吊された灯体のほぼ真下に向かって広がり、床を照らします。
ブッチガイ(ブッチ)はこれに対して、照明バトンの両端から斜め下を狙います。
上手側灯体は下手床に向けて、下手側灯体は上手床に向けて光を当てるので、舞台中央の、 人の顔の高さぐらいが一番明るくなります。 前明かりとほぼ同じ効果といえますが、舞台奥の構造物等に光を当てずに 人物だけを浮かび上がらせることができるほか、上手/下手の光量を調整して、 独特の陰影を付ける演出も可能です。

○ホリゾントライト(アッパーUH・ロアーLH)

舞台の一番後ろに白い幕が下がります。これをホリゾント幕と言いますが、この幕に 向かって、主に色を付けた照明を当てることによって様々な効果を生み出します。 様々な理由から、大がかりな舞台装置を組むことが難しい高校演劇の世界では、 ホリゾントライトが多用される傾向にあります。
上半分を照らすのをアッパーホリゾントライト、 下半分を照らすのをロアーホリゾントライトと呼びます。 上下は、別々に調光できます。
多くのホールでは、ホリゾントライトに上下各3〜4系統の回路を持っていて、 3〜4色のカラーフィルター(赤、青、緑、プラス1色の多くは黄)が仕込まれています。 ただし、古い考え方のホールだと、アッパーホリに赤が仕込まれていない所もあります。 その場合、アッパーには青、緑、青緑の3色が仕込まれているはずです。 (アッパーに赤など使うはずがないから、ということらしいのですが……)
「光の三原色」の理論に従って、「加色混合」で欲しい色を作り出します。
<組み合わせの例>

  赤+青+緑=白
  赤+青=マゼンダ(濃いピンク)
  赤+青+暗い緑=ピンク
  暗い赤+青=紫
  赤+緑=黄色
  暗い赤+緑=黄緑
  青+緑=明るい青緑
  暗い赤+青+緑=水色

使い方、色の組み合わせ等はもちろん自由ですが、だいたいの相場はあります。
  屋外(晴れ) 〜 上=水色・下=白
  森の中 〜 上=緑・下=青
  夕暮れ 〜 上=青・下=赤
  夜・暗い室内 〜 上下とも青
  シルエット 〜 ホリゾントライト以外の地明かり、前明かりをオフにする

○トップサス(Tサス)

○ステージサイドスポット(SS)

顔〜身体の側面が効果的に照らされています。
ブッチと異なり、床と水平に光を当てるので、大きさと方向を絞る(いわゆる”床を嫌う”) ことができるので、人間だけを舞台上に浮かび上がらせるような効果も可能です。 一方で、舞台上の役者(時に大道具)が灯体の反対側にいる他の役者に影を投げかけやすく、 狙いと役者の立ち位置にかなりの工夫が必要です。

○(フォロー)ピンスポット(Pin)


○特殊効果・特殊な照明
  ・フットライトによる下からあおるような照明(ホリに影を作ったり)   ・目つぶし
  ・ソースフォー+ネタ板 で床/ホリに図柄を浮かび上がらせる
  ・エフェクトマシン(流れる雲・降る雨、メラ〜波・炎 など)
  ・スモーク+パーライト   ・ミラーボール
  ・ストロボマシン(パラパラマンガ的な効果をもたらすあれです)

○ボーダーライト・作業灯
舞台の真上に、通常は前後2列、一直線に並んだ電球が仕込んであります。 これはボーダーライトといい、仕込みやバラシの時に作業を行うために舞台上を照らすため、 あるいは舞台上が平面的にべたっと明るければよい時(講演会・式典など)の地明かりとして 使用されます。
「作業灯」といえば、たいていはボーダーライトを指します。
中割幕を引いた時、袖幕をせめた舞台などでは、ボーダーの光が黒幕にかかって 照らされてしまいます。 それでも構わないという時は、ボーダーを地明かりに使うこともできます。