Back  創作脚本にチャレンジ  

○ 創作脚本の魅力

オリジナル脚本の魅力はなんといっても
★あて書き〜今いる部員の人数・個性を最大限引き出せる
★オンリーワン〜世界でひとつの"私たちだけの作品"
です。他人が書いた作品は、読み込み・解釈について大きなエネルギーを使いますが、 自分(達)で書いたオリジナル作品なら、その心配もありません。

○ 「オリジナリティ」についての注意点

既成作品(演劇に限らず、文学その他著作物)から意図的に盗作し、オリジナルと主張するのは論外ですし、 そんなことをする人はいないと思います。
ところが、自分では「ゼロから考えたオリジナルの設定/ストーリーだ」と思っていても、 過去に読んだ文学作品・マンガ、過去に見たアニメ・ドラマなどの記憶が、無意識レベルで大きく影響している場合があります。 複数の公正な目で厳しくチェックしましょう。
客観的に見て「原作ありとすべきだ」という判断になったら、潔く<脚色>という扱いにするのもひとつの手です。 オリジナリティあふれる脚色台本は、原作付きであっても創作活動の一種とみなしてもらえます。
このあたりは、 著作権のページ も併せてお読み下さい。

○ 起承転結・序破急・三幕構成

物語の構造というと真っ先に「起承転結」を考えることが多いかもしれません。 それはそれでもちろん有意義なのですが、スピーディーな昨今の演劇では(60分制限のある高校演劇ではなおさら) 「序破急」を意識しての展開をお勧めします。
映画・ドラマの脚本における定番構成と言われる「三幕構成」ともほぼ合致します。
多くの優れた演劇作品は、「序破急」もしくは「三幕構成」の構造を持っています。 これを取り入れない手はありません。

序(第一幕)=主人公の状況説明と解決すべき「課題」提示
破(第二幕)=課題解決を阻害する「敵」の登場〜仮の敗北(または仮の勝利)まで
急(第三幕)=主人公による課題解決(または失敗)が明らかになる

(例)上田美和『トシドンの放課後』
序(第一幕)=進級を目指す少年・自暴自棄から謹慎の少女
破(第二幕)=少女の心が開かれる一方、少年の進級は認められず
急(第三幕)=学校を去る少年と、それを励ます少女

○ プロットを作ろう

物語が展開する流れをプロットと言います。
勢い重視でいきなり書き出すのもアリですが、途中で行き詰ってしまうことを防ぐため、 プロットをあらかじめ作っておくことは有効です。

(例)上田美和『トシドンの放課後』
・別室登校の少年。校則違反で謹慎の少女が同室となる。
 (達観したふうの少年と自暴自棄の少女)
・二人の交流により、少女の心が少しずつ開かれてゆく。
・進級が認められず、学校を去る少年。少年の自暴自棄な発言。
・トシドンの面をかぶり、少年を叱咤激励する少女。

○ 人物関係を作ろう

演劇は、直接的には役者によって演じられる「登場人物」の演技によって物語を進めていきます。 魅力的な登場人物が織りなす人間関係は、魅力的な演劇の重要ポイントです。
キャスト数の制限から一人の登場人物に複数の役割を担わせる場合もあります。

主人公〜多くの場合、観客の感情移入の対象。状況に翻弄され、奮闘する。
  ※主人公は、物語展開の前後で何らかの変化(多くの場合成長、場合によっては敗北)をする
敵対者〜主人公と対立し、より悪い状況に追い込む。
理解者・協力者〜主人公の奮闘に理解を示し、援助する。
傍観者・解説者〜状況の説明、物語進行に貢献する。
トリックスター〜物語を掻き回し、活性を与える。

(例)畑澤聖悟『修学旅行』のメインキャラ5人は、まさにそれぞれ上記の役割。
主人公=班長  敵対者=生徒会長
理解者=新体操  傍観者=アニメ
トリックスター=ソフトボール・男子生徒